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マタハラ被害、派遣社員で48%、正社員で21%が経験

妊娠や出産、育児を理由に職場で不当な扱いを受ける「マタニティーハラスメント(マタハラ)」について、厚生労働省は12日、初の実態調査(速報値)を公表した。妊娠や出産などの経験者で、マタハラを受けた割合を雇用形態別に見ると、派遣社員が48.7%と最も高く、2番目の正社員の21.8%を大きく上回った。
調査は、厚労省からの委託で労働政策研究・研修機構が9~10月に、民間企業6500社で働く人など、就業経験のある25~44歳の女性計約3万1000人を対象に実施した。
このうち、現在や以前の職場で、マタハラを受けた経験があると回答した人は約3500人に上った。被害経験率は、契約社員などが13.3%、パートタイマーでは5.8%だった。
(毎日新聞  11月12日)

中学生のいじめ問題を「犯罪」と呼ぶべきだという見解があるが、職場でのハラスメント行為も同様に犯罪として断罪しない限り、いっこうに解決しない。いっぱしの大人になっても、心の中に潜む意地悪の虫が、弱者を前にすると途端に蠢き出すのだ。
政府は法制化も検討しているようだが、この種の問題は、職場名を公表して社会的な制裁が加わらないと、抑止力が働かないものだ。職場名が公表され、採用活動に支障をきたすなどの事態に至れば、加害者に対して人事上の措置を講じざるを得ない。
人権問題の解決には、処罰規定が実効されることが必須である。コンプライアンス教育などを実施したところで、形式に終わってしまいかねない。

小野 貴史

著者情報:
小野 貴史

1959年茨城県生まれ。立教大学法学部卒業。経営専門誌編集長、(社)生活文化総合研究所理事などを経て小野アソシエイツ代表。25年以上にわたって中小・ベンチャー企業を中心に5000人を超える経営者の取材を続けている。著書「経営者5千人をインタビューしてわかった成功する会社の新原則」。分担執筆「M&A革命」「医療安全のリーダーシップ論」

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