2015/11/09
三菱UFJフィナンシャル・グループは、起業を目指す先進技術の若手研究者らを2年間、正社員並みの待遇で雇用し、ベンチャー(新興企業)経営者に育てる事業を始める。
米アップルや米グーグルのような世界的企業に成長すれば、将来の大口顧客になると期待している。国内外で行われている民間による起業家の育成支援事業でも極めて異例の取り組みだといい、邦銀として初の試みとなる。
対象は、20歳代前半から30歳代前半までの男女で、理系大学院の修士号を持つ若手研究者や起業経験者ら。医薬品や再生医療など先進医療に関する分野や、ロボット、宇宙開発など、今後、世界的な産業に発展する可能性がある分野を想定している。
11月から募集を始め、外部の有識者らによる書類選考や面接試験を経て、年内に採用者を決める。2016年から10年間、毎年最大3人を傘下のコンサルティング会社三菱UFJリサーチ&コンサルティングで採用する計画だ。
(読売新聞 11月2日)
これは起業家の囲い込みだが、おもしろい取り組みだ。研究開発型ベンチャーの創業者は開発部長であり、製造部長であり、営業部長であり、さらに総務部長であり、経理部長でなければならない。得手不得手はマーケットにとって関心の対象外である。
三菱UFJリサーチ&コンサルティングがどれだけ実効性のある経営者教育ができるか。それもノウハウ伝授型のコンサルティングではなく、経験蓄積の場を豊富に提供することが望ましい。資質のすぐれた人物なら、2年も教育を受ければ十分に羽ばたいてゆける。
卒業後も経営資源を投下しつづければ、イチかバチかのベンチャービジネスとはいえ、確実性が高まるだろう。
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