2015/11/07
平成26年度の医療機関の給与について、医療法人が経営する民間病院の勤務医の平均年収が1544万円で、前年度より2・1%減ったことが29日、厚生労働省の「医療経済実態調査」で判明した。厚労省は11月4日の中央社会保険医療協議会(中医協)で報告するが、院長の年収は前年比0・1%増の2930万円となっており、勤務医の待遇改善が論点となりそうだ。
医療経済実態調査は2年に1度実施。今回の調査結果は28年度の診療報酬改定の基礎資料となる。
医療法人が経営する開業医(診療所)の院長の平均年収は前年比0・5%減の2914万円で、個人経営でも0・5%減の1192万円。また、医療法人が経営する歯科医の院長の平均年収は1268万円(前年比2・2%減)、勤務医が596万円(同1・2%増)と、格差が浮き彫りとなった。
(産経新聞 10月30日)
勤務医の平均年収1544万円は大手企業の部長クラスだが、これが高いか低いかは何とも言えない。平均的なサラリーマンから見れば十分な高給取りだが、医師にとっては訴訟リスクを抱えながら生命を取り扱うという格別の緊張感を強いられる仕事で、この金額では低いという水準なのだ。
日本医師会が2000年に採択した「医の倫理綱領」に「医師は医業にあたって営利を目的としない」と書かれてあるが、非営利の業務であろうと、報酬は業務の市場価値への対価だから1544万円が低いという評価にも正当性はある。
非営利とはいえ、医師が給与への不満から勤労意欲を下げてしまうのは困る。
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