2015/11/01
時間労働や時間に不規則な職場と言われる新聞記者の仕事だが、果たして「ノー残業」でも業務遂行ができるのか。ふとした思いつきだったが“1カ月間残業なし”で仕事に臨んでみることにした。染みついた習慣を改めるのは難しく、困難な場面もあったが、仕事につながる良い発見もあった。
(中略)
午後6時までに業務を終える日々を重ねると、あることに気づかされた。従来は日中に取材して、夕方からようやく原稿をまとめるという業務の流れ。残業が前提だったからだ。しかし今は「ノー残業」なので仕事は夕方まで。翌日の朝刊に掲載する記事は特に、短時間で原稿を書き上げる力が求められる。
(中略)
「ノー残業」によって、書いた記事の数には影響があったのだろうか。確認してみたところ、行数にばらつきがあるものの期間中は32本。その前の4週間は33本だった。あまり変わらなかった。どうしてもやらなければならなかった「時間外労働」は8時間だった。
(西日本新聞 10月25日)
ホワイトカラー業務の生産性は、労働期間を限定すればジャンプするように高まる。瞬発力が発生して、業務の処理スピードが断然違ってくるのだ。
約10年前、トリンプ・インターナショナル・ジャパンの吉越浩一郎社長(当時)が残業禁止を実施して、同社の好業績を維持させたことが話題になったが、この方法は多くの業種・職種に適用できる。
私も経験したことがあるが、新聞や雑誌の編集部には、長時間労働を告発する電話や手紙などが寄せられる。(こっちだって毎日多忙なのに何を嘆いているのか?)と一顧だにしなかったものだが、編集業務の生産性への認識が不足していただけである。
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