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就活時期の後ろ倒し、学生の8割「マイナスだった」

採用選考の開始が4カ月後ろ倒しに変更された今年度卒業予定者の就職活動について、学生の約8割が「マイナスの影響が大きかった」と感じていることが22日、就職情報サイトを運営するマイナビ(東京都千代田区)の調査で分かった。経団連は採用スケジュールを再度見直すことを検討しており、マイナビHRリサーチ部の石田力課長は「理系教員を対象とした調査でも8割以上が悪い影響があったと回答しており、今後、見直しの議論が進むだろう」と予測している。

調査は8月下旬にインターネットで行われ、約5800人の学生から回答を得た。その結果、採用時期のルール変更をマイナスの影響が大きかったととらえたのは79・3%。理由としては、「暑い時期に活動しなければならなかった」60.5%▽「卒論や卒業研究の妨げになった」55.7%▽「水面下で動く企業があり状況が把握しづらかった」55.6%-などが挙がった。「プラスに働いたと思うことはなかった」との回答も58.7%に上った。
(産経新聞  10月22日)

この調査にある「水面下で動く企業があり状況が把握しづらかった」について、ある私立大学4年の男性は「これが、いちばんきつかったですよ」と漏らした。

「交流会や研究会という名目で学生を呼ぶイベントには、選考には関係ないと言われても、希望する会社なら気になるので訪問せざるをえません。その場で人事担当者は学生をチェックして、これは!と思う学生には呼び出しがかかって、ひそかに内々定が言いわたされるという噂がどんどん増幅されて駆け巡るのです。当然、学生は不安になって訪問しますが、実際はどうなのかわからずモヤモヤした気分にさせられるだけです」

かりに訪問しなければ、正式な説明会に参加しても、さほどの熱意はないと判断されまいか。そう不安に思うのは当然だ。この学生は付け加えた。

「たとえ3年生対象の交流会でも選考がはじまっているなどと、時期の設定はともかく、スッキリした形でやってほしいですね」

小野 貴史

著者情報:
小野 貴史

1959年茨城県生まれ。立教大学法学部卒業。経営専門誌編集長、(社)生活文化総合研究所理事などを経て小野アソシエイツ代表。25年以上にわたって中小・ベンチャー企業を中心に5000人を超える経営者の取材を続けている。著書「経営者5千人をインタビューしてわかった成功する会社の新原則」。分担執筆「M&A革命」「医療安全のリーダーシップ論」

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