2015/10/16
東京とは65歳以上の求職者を対象にした職場体験事業「しごとチャレンジ65」の募集を始めた。高齢者の雇用に関心がある都内企業を募り、体験を希望する求職者を受け入れてもらう。実際の仕事を体験することで求職者と企業の双方のミスマッチを解消し、高齢者の雇用につなげる。公益財団法人東京しごと財団を通じ、東京労働局と連携して事業を実施する。高年齢者に職場体験してもらう事業は初めてといい、1日3時間程度で、最大3日間体験してもらう予定。受け入れ企業には謝礼金として1日あたり5200円を支払う。
(日本経済新聞 10月8日)
地方創成会議が元気高齢者を地方に移住させ、やがて要支援・要介護に至ったら地方の介護施設を利用させれば、都心の介護資源不足を補えるというシナリオを発表して、論議を呼んだ。このシナリオを補完するように、地域づくりのパッケージプランとして日本版CCRCが提唱され、国の交付金が投入されるプロジェクトも発足している。
こうした官製ライフスタイルにどれだけの高齢者が反応するかは未知数だが、64歳の会社経営者は「俺の周りに地方移住に興味を持っている奴なんて、ひとりもいないよ」と話す。
「移住といっても、実際は都心との往復生活になるのだろうけど、二重生活は金がかかるから、よほど余裕がないと無理だよ」。
その点、この経営者は都内の高級住宅街に住む富裕層だから、二重生活が可能だろうが、その気はまったくない。
「東京での生活に慣れた60過ぎの人間が、地方に移住したって、間が持たないだろう。毎日退屈でつまらないよ」。
都内で暮らしつづけるためには、就労機会の獲得も重要な手段だ。収入と健康管理と日々の張り合いは、多くは就労から得られる。「しごとチャレンジ65」は有効な試みだ。
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