2015/10/02
労働政策研究・研修機構が残業に関する調査をしたところ「残業時間の長い社員が早く昇進している」と答えた企業は4.8%で、長時間残業への評価が低いことが分かった。一方で働く時間が長い労働者ほど「自分の仕事の効率性は高い」と答えた。残業に対する企業と労働者の意識の「ずれ」が浮き彫りになった。
調査は2412の企業と労働者8881人が回答した。「残業時間の長い社員が早く昇進していない」と回答した企業は26.5%。社員の残業を「評価していない」とする企業も48.7%で約半数を占めた。
(日本経済新聞 9月22日)
この種の調査では、どこまで本音の回答を得られるかはわからない。企業側も労働者側もみずからに都合のよい回答をしがちで、企業側は長時間労働の賛美を否定し、労働者は仕事の仕方を肯定したいのかもしれない。
たとえば同じ成果を上げた社員を評価する場合、労働時間の長いほうが帰属意識が高いと見なされ、評価も高くなるという風潮はいまも根強い。残業手当を支給させた高コスト社員とは見なされない。
たしかに従来に比べれば激減しただろうが、それでも長時間労働が文化として浸透している企業には、評価制度をどう改めたところで暗黙の掟が存在しつづける。それを払拭するには「長時間労働=マイナス評価」と明文化し、厳格に運用する以外にない。
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