2015/10/02
厚生労働省は育児のため、いったん仕事を離れる人々の支援制度を大幅に拡充する。男性従業員の育児休業を奨励する企業への助成金を新設。子育て世代の女性を念頭に専門学校などにも託児付きの職業訓練を提供するよう促す。男性の育児参加や女性向け職業訓練の拡充が、仕事と家庭の両立や労働力の底上げにつながるとみている。
育児休業の制度を使う男性は少なく、配偶者が出産した男性全体の2・3%にとどまる。そこで新制度では助成金で企業の背中を押す。1人目の従業員は育休をとれば30万円、2~5人目は15万円を企業に支払う。6人目以降は助成しない。(日本経済新聞 9月23日)
元総務大臣の増田寛也氏の講演を聞く機会があったが、少子化に歯止めをかけるには、各世帯が子供を2人以上出産することが必要だという。男性従業員の育児休業を奨励する企業に助成金を支給することは、有効な子育て支援策である。
だが、それ以前に適齢期の男女の結婚を促進することが、少子化対策の根幹だ。もちろん結婚や出産は人生観の問題で、政府がとやかく意見するのは道理に反するという意見もあるだろう。実際そのとおりで、増田氏も「デリケートな問題だから・・・」と繰りかえしたが、少子化対策に限っていえば、政策的に結婚を増やさなければならない。
そこで、今年度の地方交付金がまだ300億円前後が消化されていないが、増田氏によると「政府は、交付を受けた自治体が婚活イベントに使うのは多いに結構と判断した」。異性との出会いまで行政が支援せざるえない状況は、いかにも不自然だが、そんな一般論が通用しないほど少子化問題は切迫している。
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