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社外取締役 女性候補が奪い合いに

 企業統治(コーポレートガバナンス)改革を掲げ、上場企業が社外取締役の数を増やしている。東京証券取引所によると、7月中旬時点で東証1・2部上場企業の社外取締役は延べ約4300人。前年同期の1.5倍になった。
(中略)
 6月に適用が始まった企業統治コードの要請もあり、企業は早くも来年に向けた人選に動いている。経営人材の紹介会社プロネッド(東京・港)の酒井功社長は「企業の要請で最も多いのが女性経営者。取締役会へのダイバーシティー(多様性)導入が注目されており、来年も女性経営者は社外取締役候補として奪い合いになる」とみる。
(日本経済新聞 9月21日)

社外取締役に求められるのは、戦略の巧拙への進言もさることながら、まずは(社会的に正しいか、正しくないか)の判断である。清濁を併せ呑むことが熟達した大人の判断などと考えることはいけない。それはグレーゾーン思考であり、いまや過去形になった。
個人差があるので一概には言えないが、男性の判断基準は(損か、得か)が顕著で、女性は(正しいか、正しくないか)で判断する傾向が男性よりも強いようだ。
 だから社外取締役は女性のほうが適任ではないのか。女性経営者の起用をダイバーシティー実現という体裁にとどめてしまったら、社外取締役制度は有効に機能しない。ガバナンス強化のためにこそ、女性をどんどん起用したらよい。

小野 貴史

著者情報:
小野 貴史

1959年茨城県生まれ。立教大学法学部卒業。経営専門誌編集長、(社)生活文化総合研究所理事などを経て小野アソシエイツ代表。25年以上にわたって中小・ベンチャー企業を中心に5000人を超える経営者の取材を続けている。著書「経営者5千人をインタビューしてわかった成功する会社の新原則」。分担執筆「M&A革命」「医療安全のリーダーシップ論」

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