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ブラックバイトユニオンが団体交渉申し入れ

 「ブラックバイトユニオン」は10日、大手飲食チェーン「しゃぶしゃぶ温野菜」の店舗に勤務していた首都圏の大学2年の男性が、4カ月間休みなしの勤務や高額な「自腹購入」を強いられたとして、フランチャイズ本部の「レインズインターナショナル」(横浜市)などに未払い賃金の支払いなどを求め、団体交渉を申し入れたことを公表した。レ社は「事実関係を調査している」としている。
ユニオンや男性によると、男性は首都圏の店舗で勤務していたが、人手不足などから次第に労働時間が長くなった。今年4~8月までは休みなく毎日12時間前後働いていた。賃金は十数万円で、労働時間の半分しか払われていないとしている。
仕事でミスなどをした際には「損失を与えた」として、食べてもいない商品を購入したことにされ、計10万円以上の支払いを強いられた。男性は長時間労働やハラスメントでうつ状態となり、休職しているという。
(毎日新聞  9月10日)

かつて飲食店チェーンによっては、売上目標に達しない月末や四半期になると、社員や友人などに応援に来店してもらい、飲食費を使ってもらうという慣習が散見された。社員にとっては、“応援飲食”に忠誠心を試されるかのような空気感もあったようだ。
応援を受けた店は店長もスタッフも、不自然な売上達成に異論を唱えず、ありがたく受け止めたという。こうした慣習が暴走すると、売り上げを伸ばすには“何でもあり”となり、タダ働きや商品の強制購入などの是非に、店長の感覚が麻痺してしまうのである。
本来は不要なのだが、本部は禁じ手リストを作成する必要があるかもしれない。

小野 貴史

著者情報:
小野 貴史

1959年茨城県生まれ。立教大学法学部卒業。経営専門誌編集長、(社)生活文化総合研究所理事などを経て小野アソシエイツ代表。25年以上にわたって中小・ベンチャー企業を中心に5000人を超える経営者の取材を続けている。著書「経営者5千人をインタビューしてわかった成功する会社の新原則」。分担執筆「M&A革命」「医療安全のリーダーシップ論」

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