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今春の大卒就職率、21年ぶりに70%台

6日発表の学校基本調査によると、今春の大学卒業者の就職率は72・6%で、5年連続で改善し、1994年以来21年ぶりに70%台に回復した。

正規雇用での就職率も68・9%と前年より3・0ポイント増えた。景気回復の効果とみられる。
調査によると、今春の大学(学部)卒業者は56万4025人で、うち就職した人は40万9745人。就職率は72・6%で前年を2・8ポイント上回った。就職した人のうち正規雇用は38万8606人。契約や派遣社員などの非正規雇用は2万1148人だった。
(中略)
近年の大卒就職率は、バブル末期の1991年の81・3%をピークに急落、2003年には55・1%まで下がった。

(読売新聞 8月6日)

大卒の就職率が上昇して21年ぶりに70%を超えたことは、アベノミクスの成果として評価したい。新卒で正社員になれないと、30歳を過ぎても非正規雇用がつづき、結婚もできないという人生を送りかねない。
私立大学の文系の場合、4年間の学費は総額で約400万円に達する。ある私立大学経済学部の教授はゼミでプレゼンテーションスキルを教え込んでいるが、その理由を尋ねたら「4年間で400万円も注ぎ込んで、就職できないということがあってはいけません。だから採用面接に備えて、プレゼンのスキルを鍛えているんです」。
大学は就職予備校ではないが、非正規労働者の輩出機関になってしまっては、400万円はただの捨て金になる。教授の回答には説得力があった。

小野 貴史

著者情報:
小野 貴史

1959年茨城県生まれ。立教大学法学部卒業。経営専門誌編集長、(社)生活文化総合研究所理事などを経て小野アソシエイツ代表。25年以上にわたって中小・ベンチャー企業を中心に5000人を超える経営者の取材を続けている。著書「経営者5千人をインタビューしてわかった成功する会社の新原則」。分担執筆「M&A革命」「医療安全のリーダーシップ論」

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