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ロッテお家騒動、収束はいかに?

ロッテ創業家で長男の重光宏之氏(61)と次男の昭夫氏(50)の後継争いが泥沼化している。日本のロッテホールディングス(HD)の株主総会での多数派工作や訴訟合戦も予想されるなか、父親の創業者、武雄氏(92)の言動が韓国メディアで報じられ、事態の混乱に拍車をかけている。
宏之氏は1月にロッテHD副会長を解任されたが、7月末に武雄氏らとともに訪日して昭夫氏の解任を通告。これに対し、現副会長の昭夫氏側は直後に開いた取締役会で解任の無効を確認し、武雄氏の代表権を外す人事を発表し、クーデターは「一日天下」に終わったが、その後も権力闘争が収束する気配はない。
(iZa 8月3日)

大塚家具のケースもそうだが、お家騒動が勃発すると同族経営の評価が急落する。創業者が引退すべき年齢は一概にはいえないが、通常は60代後半が適切だろう。代表権を譲った後は、後継者のサポーターに徹したほうがよいと誰しも認識しているが、なかなかそうはいかない。
権力の座に未練をもつことは人間の性と結論づけてしまえばそれまでだが、それを容認していたら経営にならない。未練を振り切って引退する手段はないものか。M&Aで豊富な実績をもつ税理士が答えを示してくれた。
「それは経営以上の楽しみを見つけることです。遊びでもボランティアでも何でもいいのです。経営以上に楽しいことを見つけた人は、きれいに引退できます。その楽しみに生きがいを感じて新しい人生を送るため、院政を敷くようなことはしません」。
社長にキャリアプランを教育できる人材は、社長経験者に限られるだろうから、キャリアプランのインストラクターも、第二の人生の楽しみにできるかもしれない。

小野 貴史

著者情報:
小野 貴史

1959年茨城県生まれ。立教大学法学部卒業。経営専門誌編集長、(社)生活文化総合研究所理事などを経て小野アソシエイツ代表。25年以上にわたって中小・ベンチャー企業を中心に5000人を超える経営者の取材を続けている。著書「経営者5千人をインタビューしてわかった成功する会社の新原則」。分担執筆「M&A革命」「医療安全のリーダーシップ論」

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