政府は来年度から、中小企業の社員の健康増進のため、「健康経営アドバイザー」の資格を創設する。
資格取得者を中小企業に派遣し、経営者の啓発や健康対策の支援を行う。中小企業社員の病気を予防し、医療費を抑制することも目指す。
中小企業の社員や家族たち約3600万人が加入する公的医療保険「協会けんぽ」(全国健康保険協会)の支出額は増加傾向にある。社員50人未満の事業所には産業医の選任が義務づけられていないなど、人材や資金不足で健康対策に手が回らない企業も多い。
(読売新聞 7月26日)
すでに神奈川県は県内企業を対象に社内に「CHO(Chief Health Officer=健康管理最高責任者)」を配置する構想を進めているが、政府がこの構想に刺激されたのかどうか。
健康経営アドバイザー資格創設の目的はよいのだが、とかく資格制度が創設されると関連ビジネスを巻き込んだ利権が形成されがちである。関連ビジネスの供給事業者が資格制度を販路活用にどう活用するかの絵を描き、実行に移すうちに利権が発生してしまうのである。
社員の健康維持に向けては健康対策の以前に、過剰な成果主義人事の改善、長時間労働の改善、セクハラとパワハラの撲滅など取り組むべきことが山積しているのはないか。根を絶たなければ健康対策は砂上の楼閣に過ぎない。問われるのは健康経営アドバイザーよりもハラスメントハンターである。
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