平成28年春卒業予定の大学生の就職活動で、大手企業を中心とした選考が8月1日に解禁される。すでに一部企業は採用活動を本格化させており、内定者に他社への就活終了を強要する「就活終われハラスメント(オワハラ)」も問題化。文部科学省が30日に公表した調査では、学生からの相談を受けた大学・短大が急増していることが分かり、大学や高校の関係団体でつくる「就職問題懇談会」が企業側に自粛を求める緊急声明を発表する事態となった。
学業に配慮した経団連の指針を受け、加盟企業は今年から面接などの採用活動を例年より4カ月遅い8月から始めることになった。一方、外資や中小など非加盟企業はすでに採用を本格化させ、8月以降大手へ内定者が流れることを恐れ、過度な“囲い込み”を行うなどのケースが相次いでいる。
(産経新聞 7月31日)
たぶん就職問題懇談会は緊急声明を発表するだけでなく、厚生労働省や商工会議所にも要請する段取りを講じているのだろうが、企業側は社名公表や罰則を伴う措置が下されない限り、オワハラを改めまい。
もちろん人員確保が喫緊の課題だからといって、オワハラを犯してもよいという理屈はありえないが、採用担当者は反社会的行為に踏み切らざる得ないほど追い詰められているのだ。追い詰められた人間が立場の弱い人間に対して理不尽な行為に走るのは、いわば本能のようなものだ。
囲い込みに走る企業は、圧迫ではなく、相思相愛を促すような手法を考案すればよい。採用コンサルティング会社などがそんな手法を開発すれば、人材不足がつづく限り、商売になるに違いない。
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