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社外取締役の監督機能を強化――政府、ガイドライン策定へ

 21日、歴代3人の社長辞任を発表した東芝。社外取締役は4人いますが、企業経営の経験者は1人しかいません。今回の利益水増し問題では、社外取締役に正確な情報が伝えられておらず、外部からのチェックができていませんでした。このため、政府は社外取締役の監督機能を強化するガイドラインを週内にも策定する方針です。
(中略)
東芝の問題などを受けて、政府は、これまで株主との利害調整や助言などあいまいだった社外取締役の役割を会社の業務や経営陣への「監督」機能と明確に示します。また、社外取締役には、業種を越えた企業経営経験者を充てることが望ましいとし、内部通報の窓口になることなどを求めます。経済産業省が週内にもまとめる会社法の運用指針に盛り込み、不正を防ぐ仕組みを徹底させる方針です。
(テレビ朝日ニュース 7月22日)

東芝では、社外取締役の導入や委員会の設置も、しょせん“ガバナンスごっこ”だった。
社外取締役は社長の辞任や相談役などの影響力排除、あるいは名誉職の廃止などを進言できなければ、お飾りにすぎない。“社内野党”として、ある意味で会社と利益相反関係でなければ健全に機能しえない。
政府が社外取締役の監督機能を強化するガイドラインを策定したのち、それをいかにして運用させるのか。ガイドラインに強制力はないが、遵守しない場合、どのような経済的な不利益が発生するかが明らかにならない限り、空文化しかねない。
遵守という縛りに対しては、不利益の発生に勝る動機付けはない。

小野 貴史

著者情報:
小野 貴史

1959年茨城県生まれ。立教大学法学部卒業。経営専門誌編集長、(社)生活文化総合研究所理事などを経て小野アソシエイツ代表。25年以上にわたって中小・ベンチャー企業を中心に5000人を超える経営者の取材を続けている。著書「経営者5千人をインタビューしてわかった成功する会社の新原則」。分担執筆「M&A革命」「医療安全のリーダーシップ論」

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