株主総会シーズンに合わせて企業の有価証券報告書が続々と提出され、経営トップの「年収」が明らかになっている。
経営者の高額報酬を批判する報道も見受けられるが、昨年、史上最高額となる14億円(2014年11月期)の報酬を受け取った自動車部品メーカー、ユーシン代表取締役会長兼社長の田邊耕二氏(81)は、こう語っている。
(中略)
ユーシンは過去に2度、社長を「公募」したことがある。最初の公募は2010年7月。
「結局、社長が務まるような人材が来なかったということです。世の中には社長をできる能力のある人は非常に少ない」
公募は諦め、「社内の人材から社長候補を育成するのも無理」との考えから、今は取引先の銀行などを頼って候補者を探している最中だという。(NEWS ポストセブン 7月5日)
ユーシンの社内事情はわからないが、取引先から迎え入れて上手く行かず、2度の公募も失敗したとなれば、もはや社内から抜てきする以外にあるまい。プロ経営者などそんなにいるものではないし、後継者を社外から抜てきした場合、当人の経営能力よりも、組織風土への適応が問題になる。
組織風土で培われた価値体系を体得しない限り、意思決定基準を見誤り、ピントがずてれしまうのだ。そして、保有能力を発揮する最大のポイントは現社長との相性である。相性が合わなければ単純な筋も通らす、袋小路に追い詰められ、疲れ果てて早期に辞任に至ってしまう。
後継者探しは候補者の実績だけでなく、自分との相性を重視したほうが現実的だ。
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