人材サービスのエン・ジャパンは企業の新卒採用を支援するため、学生が撮った動画を選考に活用してもらう新サービスを始める。
企業は書類選考を通過した学生に自己PR用の動画をつくってもらい選考する。実際の面接より手間や費用を抑えつつ、学生の印象などを確認できる。
学生はスマートフォン(スマホ)やパソコンのカメラで約1分の動画を撮り、専用サイトに登録する。採用担当者が動画をみて実際に面接に呼ぶ学生を決める。1次面接の前の「0・5次面接」に位置付けてもらう。
(日本経済新聞 5月18日)
その昔、デパートと他業種とでは、男性社員の採用基準に明確な違いがあるといわれていた。それは容姿である。デパートに採用される男子は容姿が上級で、清潔感が必須とされていたものだが、売場を歩くかぎり、確かにそのとおりだった。今でいう“顔採用”である。
自己PR用の動画を採用担当者が見ればどうなるのか。1分間程度のプレゼンテーション力なら、就活講座などで特訓を受ければ何とかなるだろう。専門家に発言内容、話し方、表情などを訓練され、様になるまで動画を取り直せば、それなりの質を維持した自己PR動画を撮影できるし、BGMなど演出に創意を凝らしてインパクトを強めることも可能だ。となると、差が出るのは容姿であり、顔採用の傾向が高まるかもしれない。美容整形医療に就活市場が創出されるかどうかはともかく、動画製作事業者には、容姿の改善を含めた就活ビジネスが到来するだろう。しかし、採用担当者は手間を省ける一方で、面接でPR動画と実物との落差にガックリとする場面にも数多く出くわすのではないか。
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