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シャープ、国内で3000人規模の希望退職を募集

20150413

深刻な業績不振に陥っている大手電機メーカーの「シャープ」は、経営の建て直しに向けて人件費を削減するため、国内で3000人規模の希望退職を募集する方向で調整に入りました。
シャープは主力のテレビ事業などの採算が悪化し、ことし3月期の決算で2年ぶりに最終赤字に陥る見通しとなり、抜本的な合理化策の検討を急いでいます。
 シャープは、経営の建て直しに向けて人件費を削減することが避けられないとして、国内で3000人規模の希望退職を募集する方向で調整に入りました。これは国内の従業員のおよそ10%に相当する規模で、海外でも人員削減を検討する方針です。
 シャープは経営不振に陥った平成24年にもおよそ3000人の希望退職を実施していて、大規模な人員削減に踏み切るのはおよそ3年ぶりとなります。
 また財務基盤を強化するため、主力銀行の「みずほ銀行」と「三菱東京UFJ銀行」に金融支援を要請しています。
 これに対し銀行側は、より踏み込んだ合理化策の実施を強く求めていて、シャープはことし5月までに、抜本的な事業の見直しを盛り込んだ新たな中期経営計画をまとめることにしています。 (NHKオンライン 3月19日)

シャープのリストラはどこまで続くのか。この報道には「銀行側は、より踏み込んだ合理化策の実施を強く求めていて」とあるが、合理化策を銀行とともに策定しなければならない状況にまで悪化しているのだろう。

すでに銀行サイドはM&Aも視野に入れているはずだが、それに向けては大胆な大掃除が必要で、現状は手ぬるいと評価しているのではないか。今年5月までに策定される中期経営計画のリアリズムにも半信半疑で待っているのかもしれない。

それにしても、社員がバッサバッサと切り捨てられる社内の空気は、もはや再建どころではあるまい。どんな中期経営計画が発表されようと、この期におよんで当事者意識など持ちにくく、明日はわが身の心境で模様眺めを続けざるをえないのではなだろうか。

小野 貴史

著者情報:
小野 貴史

1959年茨城県生まれ。立教大学法学部卒業。経営専門誌編集長、(社)生活文化総合研究所理事などを経て小野アソシエイツ代表。25年以上にわたって中小・ベンチャー企業を中心に5000人を超える経営者の取材を続けている。著書「経営者5千人をインタビューしてわかった成功する会社の新原則」。分担執筆「M&A革命」「医療安全のリーダーシップ論」

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