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シャープ、執行役員の夏期賞与ゼロ

20150330

経営再建中のシャープは4日、取締役を兼務しない執行役員21人全員の月額報酬を4月から最大20%削減すると発表した。
期間は今年9月までの半年間で、今夏の賞与はゼロとする。10月以降の月額報酬と冬の賞与は、今後の業績を踏まえて改めて決める。
高橋興三社長ら取締役を兼務する執行役員8人と社外取締役、監査役の計16人の月額報酬は、今年2月から最大55%削減している。業績の立て直しに向け、削減対象を広げる。今後、管理職など社員の給与削減を行う可能性もある。(読売新聞 3月4日)

厳しい措置にも見えるが、多くの社員をリストラしたのだから、役員の大幅収入ダウンに異論はないだろう。この程度の収入ダウンならば軽傷と見るべきで、職を失わないだけ御の字である。

中小企業には社員の賞与ゼロすら珍しくない。それどころか資金繰りが悪化すれば、社長は無給で働き続ける。本来、社員をリストラするのなら、社長以下役員の全員が無給となって経営姿勢を示すのが筋だ。その覚悟がないのなら、そもそも役員を引き受けるべきではない。

アメリカでは事情が異なるのだろうが、グロバルスタンダードと称して、筋道まで曲げることはあるまい。それに欧米にも、ノブレス・オブリージュという教えがあるではないか。

小野 貴史

著者情報:
小野 貴史

1959年茨城県生まれ。立教大学法学部卒業。経営専門誌編集長、(社)生活文化総合研究所理事などを経て小野アソシエイツ代表。25年以上にわたって中小・ベンチャー企業を中心に5000人を超える経営者の取材を続けている。著書「経営者5千人をインタビューしてわかった成功する会社の新原則」。分担執筆「M&A革命」「医療安全のリーダーシップ論」

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