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大塚家具、大塚会長(大塚勝久氏)の株主提案に反対決議

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大塚家具(ジャスダック上場)は2月17日、会長であり、筆頭株主でもある、大塚勝久氏(71)が3月下旬の株主総会に提出した「株主提案」について、会社として反対することを取締役会で決議したと発表した。
勝久氏が提出した株主提案の議題とは、勝久氏自身を含む”取締役10人選任”の件と、監査役2人選任の2件である。
勝久氏の株主提案は、2月13日、大塚家具の取締役会が決議し「会社提案」として同じく株主総会に提出した、社長の大塚久美子氏(46)を中心とする”新経営体制”について、真っ向から否定したものだ。
もともと株主提案は、2014年7月に勝久氏から久美子氏が社長職を解任された後、復活に向けてしたためていたもの。それが立場が入れ替わり、攻守ところを変えての展開。まさに「やられたら、やり返す」である。
今後の展開は予断を許さない。3月27日開催の株主総会に向けて、場合によっては、委任状争奪戦(プロキシ・ファイト)も想定される。(東洋経済オンライン 2月17日)

親子の確執にまさる経営上の軋轢はない。トップ人事をめぐる親子喧嘩では赤福を思い出すが、大塚家具は上場企業である。この親子には社会の公器としての自覚など、もはやどうでもよいのかもしれない。

真相は何なのかは2人にしか分かるまい。まさにメンツの張り合いをしているようなもので、双方とも陣営が知恵を出し合ってヒートアップし、引くに引けなくなってしまったのだ。この件は舞台こそ経営だが、要は家族同士の問題である。ひとたび憎悪の念が沸き起こると、理性の介在する余地が消え、燃え盛る情念が無軌道に暴れ出し、治まりを待つ以外にない。

3月27日の株主総会で一定の決着がついたところで、臨時株主総会の開催が提起されるなど余波が続くのかもしれないが、こうして親子喧嘩ができるのも、社員の働きに支えられているからだ。親子はその現実を真摯に受け止めるべきだ。

小野 貴史

著者情報:
小野 貴史

1959年茨城県生まれ。立教大学法学部卒業。経営専門誌編集長、(社)生活文化総合研究所理事などを経て小野アソシエイツ代表。25年以上にわたって中小・ベンチャー企業を中心に5000人を超える経営者の取材を続けている。著書「経営者5千人をインタビューしてわかった成功する会社の新原則」。分担執筆「M&A革命」「医療安全のリーダーシップ論」

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