ゼンショーホールディングス(HD)は23日、過重労働問題を受けて、現在半数近くの店舗で休止している傘下の牛丼チェーン「すき家」の深夜営業を、6月末までに全面再開させる方針を明らかにした。同社は「調理工程の簡略化ができ、人手の確保にもめどがついた」としている。
同社は、労働環境改善に向け設置した第三者委員会が昨年7月に「ワンオペ」と呼ばれる深夜の1人勤務を中止するよう提言したことを受け、10月1日から、複数店員が確保できない店舗を一時的に営業休止としていた。
営業休止は、総店舗1980店のうち約6割に当たる1254店舗で、午前0時~5時の深夜営業を中止すると発表した。
その後、人手の確保などにめどがついた店から順次、深夜営業を再開しており、12月末現在で休止中の店は、903店舗となっていた。(産経新聞 1月23日)
ゼンショーホールディングスの社員なら十二分に分かっているはずだが、吉野家とすき家の差異は人員問題だけでない。深夜営業を再開したところで、売り上げがスンナリと回復するとは思えない。
すき家に問われるのはメニュー開発力だろう。飲食店経営には“1割メニューを持つ店は強い”という経験則がある。売り上げの1割を占めるメニューを持つ店はリピート客が安定し、景気変動に左右されにくいという経験則だ。
すき家の牛丼は豊富なトッピングで吉野家との差別化を図ってきたが、吉野家の「牛丼」や「牛すき鍋膳」のような競争力のあるメニューが品揃えされていない。ゼンショーは人員確保をすませて深夜営業を再開した後は、メニュー開発に注力するのだろう。
Talk Geniusとは-
ヘッドハンティング会社のジーニアスが提供する人と会社と組織を考えるニュースマガジンです。