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経団連が2年連続のベア容認

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今春闘に向け、経団連が示す経営側の指針の最終案が明らかになった。賃金体系を底上げするベースアップ(ベア)も選択肢に、企業ごとに工夫した賃上げを呼びかける。ベア容認は2年連続。労働組合の中央組織・連合による「2%以上」のベア要求には「納得性が高いとはいえない」と批判的な見解だ。
経団連は春闘指針を毎年示しており、今年も月内に公表する。最終案は「収益が拡大している企業のより積極的な対応が求められる」と言及。円安の恩恵などで好業績の企業が賃上げに踏み切ることへの期待を示している。
(中略)
連合のベア要求に対しては、消費税率引き上げ分の影響をのぞく物価上昇率は1%未満
だとして、「すべての労働組合に2%以上の要求を求めることは納得性が高いとは言えな
い」と疑問視した。連合は、「(デフレ脱却には)月例賃金の安定的かつ継続的な引き上げが不可欠だ」(古賀伸明会長)との姿勢を示している。(朝日デジタル 1月10日)

消費税10%引き上げが延期されたとはいえ、消費者には10%が視野に入っていて、ベー
スアップが実施されなければ消費は回復しないだろう。あるいはベアを実施したところで、
どこまでの効果を発揮するか不透明だ。

懐具合に余裕ができても、節約疲れの解消に消費が向かう程度で、多くの消費者は先々
の不安に備えた家計のリスク管理として蓄財に励むのではないか。

デフレ脱却には政策的なアプローチもさることながら、企業が有効供給をどれだけ創出
できるか鍵だ。コンビニエンスストアの街カフェがヒットしているように、ユーザーの行
動パターンを変革しうるような商品・サービス開発には、財布のひもが緩んでくれるもの
だ。

小野 貴史

著者情報:
小野 貴史

1959年茨城県生まれ。立教大学法学部卒業。経営専門誌編集長、(社)生活文化総合研究所理事などを経て小野アソシエイツ代表。25年以上にわたって中小・ベンチャー企業を中心に5000人を超える経営者の取材を続けている。著書「経営者5千人をインタビューしてわかった成功する会社の新原則」。分担執筆「M&A革命」「医療安全のリーダーシップ論」

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