百貨店大手の三越伊勢丹が来春から、国内の販売担当の社員を対象に、販売実績に応じた成果給制度を本格導入することがわかった。
同社には年間1億円以上を売り上げる販売員もいるが、現在は優秀な人でも年収1000万円に満たない。今後は、最も優秀な販売員は、年収が役員並みの水準になるようにしたい考えだ。
販売員のやる気を高め、サービスの質の向上を図る。小売業界ではコストを減らすため販売員の賃金は比較的抑えられがちだ。成績をそのまま給料に反映させるのは極めて珍しい。
販売実績の高い上位数十人の社員を対象に2015年度から導入し、16年には販売担当の社員に幅広く適用する方針だ。売り場や取扱商品などを考慮したうえで実績に応じた給与を支払う。
同社首脳は「役員並みに給与をもらう販売員もいてほしい」と話している。(読売新聞 12月28日)
百貨店の優秀な販売担当社員の労働意欲がけっして報酬に依拠しているとは思えないが、役員並みの報酬を支給することは有効な施策だ。
アベノミクスで多少、個人消費が増えたとはいえ、消費税10%を控えて庶民の消費が引き続き増えるとは考えにくい。百貨店で卓越した販売実績を上げる販売社員は、富裕層をガッチリと握っているはずだから、消費増税の影響をさほど受けない土俵で仕事に邁進できるのではないか。
三越伊勢丹の取り組みが軌道に乗れば、“プロ販売員”のようなポストが開設され、カリスマ販売員も登場するに違いない。その仕事ぶりにメディアも飛びつくはずで、人材採用にもプラスになるだろう。
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