カジュアル衣料品チェーン「ユニクロ」を運営するファーストリテイリングの柳井正会長兼社長は19日、東京都内で開いた新卒採用者向けのイベントで、過酷な労働環境を強いる企業だとされる批判に対し「ブラック企業ではない」と、明確に否定した。「サービス残業もなくなった。セクハラやパワハラは即座に処分する厳しい対応だ」と語った。
さらに、報道陣に対し、50%以上となっていた新卒3年以内の離職率も、30%台まで低下し、大幅な環境改善が進んでいることを強調。現在、ユニクロ店舗で正社員比率が1~2割程度なのを、今後は5割に引き上げていく考えも示した。
柳井社長は「数カ月前までは、ブラック企業だという風評が強く、その時点で反論すれば、(ネットなどで)炎上しただろう。最近はそういった批判も薄らぎ、入社希望者に対して、きちんと否定できるようになった」と説明。
サービス残業など「古いやり方は通用しない」と、改善していることもアピールした。(産経新聞 12月19日)
柳井氏は「当社はブラック企業ではない」と反論するタイミングを見計らっていたような印象だ。労務環境について改めるべき点は改めたうえで、明言できる時期を待っていたのだろう。
新卒採用者向けイベントだから、柳井氏の発言に対して文藝春秋社との裁判や、これまでのブラック体質批判への見解などは述べる必要はない。追及されることもない。だから現状と今後について述べれば事足りるのだ。
この記事に「数カ月前までは、ブラック企業だという風評が強く、その時点で反論すれば、(ネットなどで)炎上しただろう」と紹介されているように、反論にはタイミングの見極めが重要だ。
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