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在宅勤務・テレワークの導入企業が進む

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自宅や外出先などで仕事をする「テレワーク」が広がっている。かつては育児などを抱かえた社員の福利厚生策と位置づける企業が多かったが、最近は利用対象をほぼ全員に広げ、10分単位の“スポット利用”などを認める企業も登場。テレワークで1日の時間をどのように有効活用できるのか。先進事例から職場の工夫を探った。
日産自動車に入社して8年目の林奈帆子さん(32)がこの日、出社したのは午前11時。SCM本部で新車の最適な物流コストを提案するのが主な仕事だ。遅めの出社だったのは日本時間の朝7時半から開かれたブラジルの工場との電話会議に参加するために1時間強、在宅勤務をしていたからだ。
「うちの部署では時差のある海外との電話会議が多く、上司を含めて在宅勤務を活用している」と林さん。スケジュールに合わせて部分的にテレワークを上手にスポット活用している。(日本経済新聞 12月8日)

直行直帰を原則禁止とする企業もあれば、在宅勤務の導入を進める企業もある。業務の運営効率の向上もさることながら、それよりも社員の行動への信頼感の違いに由来するのだろう。

たしかにテレワークは便利で、対面コミュニケーションを敬遠しがちな昨今の若者気質にも合致しているのかもしれない。導入の仕方によっては、間接経費を相応にコストダウンできる。

しかし、労働時間の増加という一面もあるようだ。外資系化学品メーカーでテレワークを選択した営業統括マネージャーは語る。

「パソコンに24時間拘束されているような感覚になることがあります。オンとオフのけじめとつけないと、就寝前にメールをチェックしないと落ち着かないというような状況になってしまいます。テレワークにも就労時間の区切りが必要ですね」。

いずれテレワークに関するメンタルヘルス管理という新たなテーマが浮上するかもしれない。

小野 貴史

著者情報:
小野 貴史

1959年茨城県生まれ。立教大学法学部卒業。経営専門誌編集長、(社)生活文化総合研究所理事などを経て小野アソシエイツ代表。25年以上にわたって中小・ベンチャー企業を中心に5000人を超える経営者の取材を続けている。著書「経営者5千人をインタビューしてわかった成功する会社の新原則」。分担執筆「M&A革命」「医療安全のリーダーシップ論」

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