自動車や電機など主な産業別労働組合(産別)でつくる全日本金属産業労働組合協議会(金属労協)は、2015年の春闘で、全社員の基本給を底上げするベースアップ(ベア)を月額6000円以上で統一要求する方針を固めた。
ベア要求は2年連続だ。具体的な金額を掲げるのは、02年の1000円以来だ。金属労協が方針を決めたことで、15年春闘は高い水準で労使の攻防が展開されそうだ。
12日の協議委員会で正式決定する。
金属労協には、自動車総連、電機連合、金属機械産業のJAM、鉄鋼などの基幹労連、全電線の五つの産別が加盟し、組合員は約200万人にのぼる。
金属労協は、上部組織の連合が掲げる「2%以上」の方針を参考に、加盟組合の標準的な月例賃金約30万円の2%に相当する「6000円」以上を要求することにした。物価の上昇に加え、自動車や光学機器、電気機械などの企業が円安で収益が大幅に改善しているため、従業員に還元するよう求める。(読売新聞 12月2日)
実質可処分所得が下がるなかで、賃上げをしなければ消費はますます冷え込んでゆく。賃上げをしても消費増税を控えて消費は冷え込むだろうから、多少の賃上げなど焼け石に水なのかもしれないが、それでもいくばくかの心理的な効果はある。
問題は2年連続で賃上げされる企業が続く一方で、賃上げどころではない中小企業の人員確保だ。無理な賃上げが原因の人件費倒産は今年の学習効果からさほど発生しないだろうが、人手不足倒産は深刻化するのではないか。
新政権の中小企業対策には、人手不足対策を重点項目として盛り込んでほしい。
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