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エン・ジャパン「企業から学生に接触」を支援

エン・ジャパン

人材サービスのエン・ジャパンは企業側から新卒学生にアプローチする新しい採用支援サービスを来年3月から本格的に始める。経団連のルール変更で、2016年春採用から採用活動の解禁時期が繰り下げになる。活動期間の短縮で、中堅・中小企業や知名度の低い企業が苦戦する可能性もあり、新サービスで人材確保を支援する。
「アイルーツ」を本格的に始める。参加する学生は大学名、自己PR、適性診断テストの結果などを事前登録。企業は欲しい学生にスカウトメールを送る。学生にとっても自らの希望に合った企業を探す選択肢が増える。16年春採用では2万人の学生と100社の利用を目指す。(日本経済新聞 11月24日)

採用市場ではエントリーシートに代わる仕組みが求められている。だがエントリーシートは物議をかもしながらもスタンダードとして定着し、これに代わる仕組みがなかなか登場しない。さすがにリクルートの牙城は凄い。

その渦中で、エントリーシートの定着と人手不足で中堅・中小企業の求人活動は苦境におちいっているだけに、エン・ジャパンの新サービスへの期待は大きいだろう。問題は企業の欲しい学生がどれだけ登録するかである。

来春卒業予定の大学生は求人増を受けて、おおかた内定を獲得しているが、いまだに就職活動を続けている学生もいる。早くスッキリしたらどうかとも思うが、ある就活生によると「とりあえずどこかに就職しておこうという考えだと、すぐに辞めて転職歴がついてしまうので、焦らずに活動しています」。

こういうタイプの学生を企業が欲しがるのかどうかは分からないが、若い時分にはどこかで大化けする可能性がある。エン・ジャパンの「アイルーツ」は中堅・中小企業だけでなく、じっくり型就活生を支援できればなおよい。

小野 貴史

著者情報:
小野 貴史

1959年茨城県生まれ。立教大学法学部卒業。経営専門誌編集長、(社)生活文化総合研究所理事などを経て小野アソシエイツ代表。25年以上にわたって中小・ベンチャー企業を中心に5000人を超える経営者の取材を続けている。著書「経営者5千人をインタビューしてわかった成功する会社の新原則」。分担執筆「M&A革命」「医療安全のリーダーシップ論」

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