厚生労働省が5日発表した9月の毎月勤労統計調査(速報)によると、2014年夏の1人当たりの賞与は前年比3.1%増の37万550円となった。増加は2年連続で、1991年(6.3%)以来の伸び率。企業業績の改善が追い風となった。
産業別にみると、製造業が10.5%増、建設業は10.0%増、鉱業・採石業は36.0%増と大きく伸びた。一方、飲食サービス業や運輸・郵便業などは減少した。
9月の基本給や残業代、賞与などを合わせた「現金給与総額」の平均は前年同月比0.8%増の26万6595円で、7カ月連続の増加。基本給を示す「所定内給与」が賃上げなどで0.5%増え、全体を押し上げた。
ただ、物価上昇率を加味した現金給与総額の動きを示す「実質賃金指数」は2.9%減と、15カ月連続でマイナス。給与の目減りが続いている。(時事通信 11月5日)
夏の賞与が2年連続で増えたとはいえ、大手企業と中小企業とでは格差が大きく、この調査結果に対するサラリーマンの実感はさまざまだろう。しかも実質賃金指数が15カ月連続でマイナスを記録したなかで、中小企業に勤めるサラリーマンの可処分所得はどれだけ目減りしているのか。
社会保障費の確保を大義とした消費税10%への引き上げは、時期はともかく不可避の選択肢だ。しかし、引き上げを実行すれば景況の悪化は明らかである
この二律背反にさいなまされる渦中にあって、いま政府が実施すべきは株式市場の活性化だ。金融緩和だけでなく、規制緩和を推進して日経平均を上昇させることである。経済の活力は株式市場の盛衰にかかっている。
Talk Geniusとは-
ヘッドハンティング会社のジーニアスが提供する人と会社と組織を考えるニュースマガジンです。