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社長が「世界」「グローバル」を熱く語る会社は要注意

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問題のある企業は、熱狂的な会社説明会を開催することが多いようです。社員はハイテンション、社長も出席して熱く夢を語ります。社長が熱く夢を語ること自体は悪いことではありません。しかし、大企業でもないのに「私たちと一緒に世界を変えよう」「グローバルでオンリーワン企業を目指そう」などという言葉がポンポン飛び出すようならば、冷静になってください。
(中略)
ところが、大きな目標を掲げるような説明会で感動してしまう学生は少なくありません。友人は内定を取っているのに、自分だけ内定が取れないと気持ちが落ち込みます。自分の存在自体が社会から否定されているような気持ちになることもあります。そんなときに熱狂的な説明会に出席し、気持ちが高揚したところで社長に「私たちと一緒に世界を変えよう」などと声を掛けられ、さらに握手をされようものならば、「やっと自分を認めてくれる会社に出会うことができた」と感激して、入社を決意するのです。(東洋経済オンライン 10月6日)

かつては社名に「日本」「ジャパン」「ワールド」などの言葉がついている中小・ベンチャー企業は要注意と言われた。分不相応に存在を誇示したがっているのか、単なる誇大妄想にとらわれてしまっているのか。そう評価されたものだ

時代は変わって、いまは社名よりも社長が「夢」「志」「思い」など情緒を刺激する言葉をハイテンションで連呼する企業が要注意なのだ。どこか薄っぺらなのである。そういうことは叫んだりせずに中身で示せばよい。

もっとも、人材確保に苦闘している会社の社長が、学生に向かって叫ばざるをえない心境にあることはわからないでもない。若者に振り向いてもらえない社長は、さびしい限りである。

小野 貴史

著者情報:
小野 貴史

1959年茨城県生まれ。立教大学法学部卒業。経営専門誌編集長、(社)生活文化総合研究所理事などを経て小野アソシエイツ代表。25年以上にわたって中小・ベンチャー企業を中心に5000人を超える経営者の取材を続けている。著書「経営者5千人をインタビューしてわかった成功する会社の新原則」。分担執筆「M&A革命」「医療安全のリーダーシップ論」

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