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高野友梨社長、圧力発言で従業員に謝罪

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エステサロン大手「たかの友梨ビューティクリニック」を運営する不二ビューティの高野友梨社長が、労働基準法違反を内部通報した20代の女性社員に圧力をかける言動をしたとされる問題で、同社は4日、高野社長が従業員らに謝罪したことを公表した。
同社によると、高野社長が同日、現場となった仙台店を訪れ「労働コンプライアンスに対する知識や意識が未熟だったからであると深く反省しております」と謝罪。「労働基準法違反を容認している、ないしは、組合活動に圧力をかけるというような気持ちはありませんでした」と弁明し、「二度とこのような言動を取らないことを約束します」と説明したという。
この問題は、今年5月に仙台店の女性が労働組合「エステ・ユニオン」に加入し、残業代の支払いなどを求めたことが発端。高野社長は同店従業員を集めた8月の食事会で、女性を名指しして「(労基法通りにやれば)潰れるよ、うち。潰してもいいの」などと述べたと、同労組などが指摘していた。
同労組は「謝罪の場に被害者の女性はおらず、謝罪を受けたとは思っていない」としている。(毎日新聞 10月11日)

高野友梨社長が内部通報した女性社員を問い詰める場面は、NHKのニュース番組でも放映された。ネットにも流れた。消費者相手のビジネスで、高野氏の肉声が流されたことは致命的である。

創業成功社長に固有のツッパリ精神も、社会との折り合いをつけなければならない時期に直面する。おおかた、対消費者では早期に折り合いをつけるが、対従業員、対仕入先に対しては自我を通そうとする。

創業社長は、さすがに従業員と仕入先と利益相反関係にあるとまでは思っていないだろうが、(自分が食わせてやってるんだ)と妄信する社長は数多い。たしかに給料を支払う側と貰う側には万里の開きがあるが、社長として第一線で働けるのは、そもそも誰に支えられているからなのか。

この現実をわきまえている社長は人望を集め、わきまえていない社長は、金の切れ目は縁の切れ目の人間関係しか築けない。社業が下降すると、どんどん人は去ってゆく。

小野 貴史

著者情報:
小野 貴史

1959年茨城県生まれ。立教大学法学部卒業。経営専門誌編集長、(社)生活文化総合研究所理事などを経て小野アソシエイツ代表。25年以上にわたって中小・ベンチャー企業を中心に5000人を超える経営者の取材を続けている。著書「経営者5千人をインタビューしてわかった成功する会社の新原則」。分担執筆「M&A革命」「医療安全のリーダーシップ論」

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