慶応大特任助教、若新雄純(わかしんゆうじゅん)さんが提案する「ゆるい就職」が話題だ。若者に「週休4日で15万円」の仕事を紹介する人材派遣サービスという。若者の正社員志向や安定志向が高まっていると言われる今、「ゆるい就職」が若者を引きつけるのはなぜなのか。
「今どき、若い世代が正社員で働くのって『負け』だと思うんです」。正社員で長時間労働に苦しむシステムエンジニアの男性(23)が発言すると、会場に集まった約60人の若者から賛意のどよめきが起こった。
(中略)
これ、「ゆるい就職」に関心を持つ若者たちが18日、東京都内で「週4日の休みをどう使うか」などを話し合ったワークショップの一場面だ。「ゆるい就職」は人材紹介会社「ビースタイル」(本社・東京都新宿区)の事業。週休4日、つまり週3日働いて月収15万円の仕事を紹介するという。派遣など非正規雇用。15万円は額面。手取りでは12万~13万円か。週3日勤務は社会保険の適用外だ。 (毎日新聞 9月24日)
週休4日で15万円の仕事を求めるのは、普通は定年退職後ではないのか。ブラック企業問題などを背景に就労観が変わったと言えばそれまでだが、15万円の収入で社会保険が自己負担という懐具合で、どうやって生活するのだろう。
当座は巧みにやりくりして凌ぐのだろうが、この水準では貯金ができないし、この水準が続くようでは結婚もできないだろう。もちろんライフスタイルは人それぞれで、人生の所有権は当人にあるのだから、まさしくダイバーシティーの具現化と見るべきなのかもしれない。
ライフスタイルがどうであれ、何が起きても禄をはんでいけるだけの力を身に着けておかないと使い捨てになるのは必至だが、それでも「ゆるい就職」を望むほど、正社員は消耗が激しくなったのだろう。
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