「働かないオジサン」はなぜ生まれるのか-。長時間労働、正社員と非正社員の格差、ブラック企業などさまざまな問題が山積し、中高年が既得権層として指弾されてきた日本の雇用をめぐる論壇。だが近年は、根本原因がかつて称賛された「日本型雇用」の機能不全にあるとするシステム論的な議論が目立つようになっている。
「“働かないオジサン”が生まれるのは、日本企業の構造的なものが大きい」
日本企業の人事メカニズムを解説した新書『働かないオジサンの給料はなぜ高いのか』(新潮新書)を4月に刊行したサラリーマン兼著述家の楠木新(あらた)氏(60)は、大手生命保険で人事畑を歩んだ自らの経験をもとに、そう語る。
(中略)「問題は管理職登用という選抜によるピラミッド構造が始まる40歳前後。ポストを得られなかった人が意欲を失ってしまうために“働かないオジサン”が発生してしまう」。(Sankei Biz 9月16日)
かつて40代は働き盛りと呼ばれたものだが、いまやダラダラ盛りなのかもしれない。40歳前後はリストラの対象になり始める年齢で、それは、いうまでもなくコストパフォーマンスに見合わない世代だからだ。
つまり企業価値を引き下げる世代と見られ、それまでの貢献など一顧だにされない。この世代のパフォーマンスをいかにして引き上げるかは、昨今流行りの持続可能性にならえば、第一線ビジネスマンとしての持続可能性を実現させるテーマである。
ポストには限りがある以上、専門職としてスキルを向上させるなどの手立ては、従来から多くの企業で取り組まれているが、その一方で、ポスト志向の修正も必要だ。それぞれの持ち場で力を発揮できれば、それでよしとするシンプルな就労観をもてばよい。
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