厚生労働省は12日、2014年版の労働経済の分析(労働経済白書)を発表した。過去5年以内に非正規社員だった人の状況を調べた。年齢が若いほど非正規社員から正社員に移行しやすいことがわかった。
25~34歳で非正規から正社員になる人の割合が34.9%と最も高く、次いで15~24歳が27.6%だった。35~44歳では22.8%、45~55歳で17.8%と低下する傾向がみられた。
営業職や専門・技術的職業の人は非正規から正規雇用に移行しやすいとも指摘した。たとえば営業職では、非正規社員で転職した人のうち70.6%が正社員に移行した。(日本経済新聞 9月12日)
非正規から正社員への移行割合が40歳を過ぎると大きく下降傾向を辿るのは、今に始まったことではない。とくに45歳を過ぎると嘱託や契約社員で雇用し、1年程度様子を見て、戦力になりそうであれば正社員に登用するというパターンが多いようだ。
この年齢になれば。もはや人材として伸びしろを期待できるわけでもない。雇用側は、正社員としての固定費増の抑制もさることながら、当人が新たな環境に適応して現有スキルを発揮できるかどうかをチェックするのだ。
しかし一方で、この年代は住宅ローンや教育費など最も生活コストが発生し、求職者にとっては正社員としての安定感がほしいのが現実だ。
雇用者と被雇用者のニーズのギャップを埋めるには、たとえば40歳をひと区切りとして正社員としてのセカンドキャリアを形成できるような仕組みが考えられる。政府ホワイトカラー・エグゼンプションよりも“その他大勢”の戦力化を制度設計してほしいものだ。
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