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人材不足で社外取締役「複数が8割」

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上場企業で複数の社外取締役を導入する会社が増えている。主要100社を調べたところ、社外取締役を2人以上置く企業は85社と8割を超え、5年前の57社に比べ1.5倍に増えた。政府は社外取締役を複数置くよう促す指針の導入を議論するが、大手企業では先取りが進む。一方で複数企業の社外取締役を1人で兼務する事例も増えており、人材不足が浮
き彫りになっている。
6月に成立した改正会社法では、社外取締役を置かない大手企業に株主に理由を説明するよう義務付けた。成長戦略でも企業統治(コーポレートガバナンス)の強化を打ち出しており、政府は来年6月までに上場企業を対象にした企業統治の指針をつくる計画だ。(日本経済新聞 9月2日)

数年前から、大手企業の幹部OBなどを中小・ベンチャー企業の顧問に派遣する紹介サービスが動き始めている。登録者はかなりいて、しかも錚々たる経歴の持ち主が多いという。

とかく「元○○」という経歴は、当人の自覚はともかく、賞味期限の切れていることが少なくない。だが、社会取締役は第一線の現場プレーヤーではない。監視役やご意見番といった役目である。「元○○」として培った知見を十分に生かせるのだ。

顧問派遣サービスが思惑通り収益を上げているかどうかは分からないが、人事不足で複数兼務が8割という日経調査から考えれば、社外取締役紹介サービスも成り立つだろう。すでに準備している人材紹介会社もあるかもしれない。

小野 貴史

著者情報:
小野 貴史

1959年茨城県生まれ。立教大学法学部卒業。経営専門誌編集長、(社)生活文化総合研究所理事などを経て小野アソシエイツ代表。25年以上にわたって中小・ベンチャー企業を中心に5000人を超える経営者の取材を続けている。著書「経営者5千人をインタビューしてわかった成功する会社の新原則」。分担執筆「M&A革命」「医療安全のリーダーシップ論」

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