人手不足が原因で倒産する中小企業が増え始めた。人件費の高騰が負担となっているほか、働き手を確保できずに経営が行き詰まるケースもある。少子化で働き手が減る中、景気が上向いて大企業が非正規社員などを増やしており、中小企業にしわ寄せが来ている。
(中略)
「職人を探してあちこちに声をかけたが、全く集まらなかった」。今年5月、会社の清算を決めて全事業を停止した長野県の建設会社社長(59)はため息交じりに振り返った。
人件費や資材費の高騰で昨年末から経営が厳しくなり、今年3月末までに完工予定だった工場建設工事が職人不足で1か月遅れ、資金が底をついた。自己破産手続きの費用さえ手元に残らず、弁護士の助言を受けながら債権者らと協議を続けている。(読売新聞 8月23日)
人手不足対策として女性と外国人の活用、さらにIT化やロボット化が提言されているが、それらを実行できない中小企業が山積しているから、人手不足倒産が増え始めているのだ。
これからの季節は年末の資金繰り対策が射程に入ってくる。
運転資金が底をつく前に、人手不足廃業に踏み切るケースも増えることは目に見えている。
この問題に対処するには、業務の委託側の協力も必要だ。委託料の削減にばかり注力していては、委託側にツケが廻ってきてしまうが、担当部署や担当者には委託料削減目標が課せられ、その達成度合いで実績評価が下されるのがおおかたの企業である。
評価制度にしたがって、PDCAを廻しながら日々任務を遂行する勤め人に、考え方の切り替えを求めることは現実的でない。評価制度の見直しから入らないと、勤め人の行動原理に合致しない。
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