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女性管理職は気遣いに自信あり、統率力に自信なし

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女性管理職は気遣いやコミュニケーションには自信がある一方、指導力や管理統率力には自信がない――。政府が女性管理職を増やそうと力を入れる中、そんな傾向にあることが日本経営協会(東京)の調査で明らかになった。
調査は6月にインターネットを通じて行った。回答したのは、製造業やサービス業などの民間企業、官公庁や自治体に勤める女性管理職とその候補計400人と、計400の企業、行政機関の人事担当者。人事担当者の大半は男性だった。
人事担当者が男性より女性の管理職の方が上回っていると思う能力(複数回答)は、「気遣い・心遣い」が62.5%とトップ。「コミュニケーション力」37.5%、「共感力」26.8%と続いた。
一方、女性管理職に対し、管理職に求められる能力・資質ごとに自信の有無(同)を聞くと、「気遣い・心遣い」は66.0%が自信があると回答したが、「指導力」「管理統率力」に自信があると回答したのはそれぞれ37.5%、31.5%と半分程度だった。(日本経済新聞 8月13日)

安倍晋三政権の成長戦略にしたがって女性管理職を一気に増やせば、指導力や管理統率力に不安を抱えたまま管理職に就任する女性も多くなるのは、いわば当然の成り行きだ。しかも、これは男性管理職でもさほど変わらない問題である。

リーダーシップのあり方は時代とともに変化する。いまは部下を引っ張ってゆくという旧来型の手腕よりも、どれだけ共感を集められるかどうかが問われるようになった。共感しなければ、部下は主体性をもって動かない時代だ。

その意味で、人事担当者が男性より女性の管理職の方が上回っていると思う能力に「共感力」26.8%を挙げていることは、今後を期待させる調査結果である。

小野 貴史

著者情報:
小野 貴史

1959年茨城県生まれ。立教大学法学部卒業。経営専門誌編集長、(社)生活文化総合研究所理事などを経て小野アソシエイツ代表。25年以上にわたって中小・ベンチャー企業を中心に5000人を超える経営者の取材を続けている。著書「経営者5千人をインタビューしてわかった成功する会社の新原則」。分担執筆「M&A革命」「医療安全のリーダーシップ論」

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