三菱東京UFJ銀行は、現在は6か月~1年程度ごとに契約更新している契約社員を、期間を定めず定年まで働くことができる無期雇用の契約社員にする方針を固めた。
3年超、働いた人が対象になる。ほかの業界にも広まる可能性がある。
同行では社員約4万5000人のうち、1万1400人が支店の窓口業務などを担う契約社員だ。そのすべてが無期雇用への切り替え対象となる。厚生労働省によると、企業が1万人規模の契約社員を無期雇用に切り替えるのは珍しい。2015年4月に導入する。
契約社員の9割を占める女性が活躍する場を提供する。人手不足が懸念される中、人材確保につなげる狙いもある。無期雇用の契約社員になった人は、定年が60歳までとなる。再雇用制度を使えば最長65歳まで働ける。けがや病気で長期間休んでも、雇用が維持される。原則、仕事の内容は変わらないが、長く働いた契約社員は、部下を指導する役割を持たせ、その分、賃金を増額する。(読売新聞 7月25日)
この取り組みはまず銀行業界に横並びで浸透し、その後に各業界の大手企業が続くだろう。中小企業のなかには60歳定年後に嘱託などで無期限に雇用し続ける例も少なくない。
雇用規程はあるものの、(身体が丈夫なうちは…)と労使双方の以心伝心で雇用を継続し、人手不足を補っているのだ。
ラーメン店「日高屋」を運営するハイデイ日高の創業者、神田正氏はテレビ番組で「長年いっしょに働いてきた人達に、60歳や65歳になったからといって『さようなら』と辞めてもらうのは嫌だ」と話していた。
職を失うことは収入源だけでなく、生きがいの喪失にもつながりかねない。雇用延長のきっかけが人手不足の解消でも、やがて従業員の生きがいを満たすような仕組みへと転換することが望ましい。
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