2020年までに管理職に占める女性の比率を30%以上にすることを目指す企業はわずか17%――。 人事関連サイト「日本の人事部」を運営するアイ・キュー(東京・港)の調査で こうした結果が出た。一部の大企業を除けば女性総合職が少ないなどの事情がある。
安倍政権が掲げる目標の達成が難しい現状が浮き彫りになっている。
「日本の人事部」に会員登録する約6万社を対象にアンケートを実施し、 3009社が答えた。現時点で女性管理職の比率が「30%以上」の企業は8.1%。 20年の見通しでは8.9ポイントの上昇にとどまった。
現時点での女性管理職の比率は「1%以上、5%未満」の企業が40.6%と 最も多く、「ゼロ」も21.4%あった。20年の目標では「5%以上、10%未満」が28.2%と最多だった。(日本経済新聞 7月21日)
政府目標とかけ離れた現状が浮き彫りになったが、けっして企業が女性管理職の登用に消極的な姿勢ではないだろう。安倍晋三政権の成長戦略で女性活用が打ち出されたことに呼応して、いきなり女性社員を管理職へ大量抜擢というわけにはいかない。
管理職予備軍のストックが用意されていてこそ抜擢がかなうのだが、この調査では、女性管理職の増やすうえでのハードルのうち、25.6%が「候補となる従業員が不在」だった。これが多くの企業の現実だ。
とくにワークライフバランスの取り組みが緒についたばかりの企業にとって、いきなり管理職への積極登用は現実的でない。女性管理職比率30%以上は数値目標としては適切だが、その実現に焦ると歪みが生じて、元の木阿弥になりかねない。
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