日本経済新聞社が10日にまとめた2014年上半期(1~6月)の主要企業の社長・頭取
交代調査によると、社長が代わった企業は前年同期比8.8%減の611社だった。平均年齢は
前年同期比とほぼ同じ56.8歳。30~40歳代の比率が高まった一方で、会長が社長を兼務す
るなどベテラン人材の登板が増えたためだ。外部からいわゆる「プロ経営者」を招く企業
も目立った。
調査対象は上場企業とそれに準ずる非上場企業だ。最年少は伊藤忠商事出身で、建材ネ
ット通販のサワカンパニー社長に就任した30歳の山根太郎氏。30~40代の新社長は全体の
14.7%で前年より2.3ポイント上昇したが、平均年齢は前年の56.9歳からわずか0.1歳の
若返りにとどまった。(日本経済新聞 7月11日)
社長就任に適した年齢は一概に言えない。中堅から大手に向かう段階の企業なら社長と
しての伸びしろを期待できる40代が望ましいだろうし、確固とした世界観が必須の大手
企業社長なら、50代の半ばに達していないと役不足だろう。
中小企業のオーナーには生涯現役を旨に70歳を過ぎてもなお輝きを放ちつづける人物が
少なくなく、彼らは高齢化社会の手本として賞賛される。しかし、高齢の社長が現役を張
りつづけるのはいかがなものか。
生涯現役は本人にとって望むところであり、現役の持続は健康にもプラスだから医療費
の支払いも少なく、社会保障費の抑制に寄与できる。しかし、次世代の経営陣にはなかな
か出番が廻ってこない。世代交代がかなわなければ、組織の弱体化を招いてしまう。
組織人である限り、後につづく者へのバトンタッチが不可避であることは百も承知のは
ずだが、それでも実行できない。当人に宿る業のようなものが、引退の意志を阻んでいるとしか思えない。
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