厚生労働省は27日午前、5月の有効求人倍率(季節調整値)が前月より0.01ポイント上昇し、1.09倍になったと発表した。
上昇は18か月連続で、1990年代前半のバブル崩壊以降の最高値を更新した。正社員の有効求人倍率(同)も2004年11月の公表開始以来、最も高い0.67倍(前月比0.02ポイント増)となった。
都道府県別の有効求人倍率は、トヨタ自動車の本社がある愛知県が1.57倍で最も高く、最低は沖縄県の0.63倍だった。
新規求人数は前年同月比4.0%増だった。産業別でみると、製造業が同12.2%増、教育・学習支援業が同11.0%増、人材派遣などのサービス業が同8.4%増だった。
厚労省は、堅調な自動車産業による他産業への波及効果や、復興需要と公共投資の増加などの影響で、製造業を中心に求人数が増えたことが、全体を押し上げていると見ている。(読売新聞 6月27日)
営業マンの中途採用を行なっている中小部品商社の社長は「若い応募者は強気だねぇ」ともらした。30歳前後の応募者が応募シートに記入する希望年収が、500~600万円なのだという。「昨年以前なら400~500万円でしたよ」。
その点、40歳を過ぎた応募者になると、いくら雇用環境が好転したとはいえ、自分の市場価値をわきまえているようで、「たまに何を勘違いしているのか1000万円希望という例もあります」(社長)が、400万円前後を記入してくるのだそうだ。
また、介護事業コンサルタントによると、こんな実態もある。
「企業をリストラされた50代の男性が介護業界にどんどん転職してきます。年収が350~400万円なのに“施設長”など“長”のつく肩書きをもらえるからです。彼らに聞いてみると、同窓会に出たときに肩書きがないと体裁が悪いというのです」
雇用環境好転の恩恵を受けられるのは、たぶん30代後半までではないのか。伸びしろが縮んでしまった40代以降は、安倍晋三政権の成長戦略が開花しても、出色の人材でない限りお呼びでないようだ。
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