サントリーホールディングス(HD)が次期社長にローソンの新浪剛史(にいなみ・たけし)会長を招く。新浪氏は三菱商事時代からローソンの経営再建に携わり、その後同社の社長・会長を12年間務めた実績を持つ。外部から「プロの経営者」を招聘(しょうへい)するのは欧米で一般的だが、今後、日本でも定着するか注目される。
今年に入り、プロ経営者起用の動きは加速している。4月には資生堂の社長に日本コカ・コーラで社長、会長を務めた魚谷雅彦氏が就任。ファーストリテイリング元社長の玉塚元一氏は5月に、ローソン最高執行責任者(COO)から社長に昇格した。ベネッセHDは今月21日付で、日本マクドナルドHDの原田泳幸会長をトップに迎えた。
プロ経営者として認められている人材は、外資系企業でのトップ経験者が多い。原田氏は米アップル、LIXIL(リクシル)グループの藤森義明社長は米ゼネラル・エレクトリック(GE)、カルビーの松本晃会長兼最高経営責任者(CEO)は製薬・ヘルスケア大手の米ジョンソン・エンド・ジョンソンで、いずれも日本法人のトップを経験している。
りそなHDや日本航空などが経営再建のために実績のある経営者を迎えた例はあるが、最近は通常の人事でも外部からの起用が目立ってきた。サントリーHDの佐治信忠会長兼社長が新浪氏に白羽の矢を立てた理由に「国際性」を挙げたように、企業活動のグローバル化が背景にあるようだ。(産経新聞 6月25日)
新浪剛史氏がサントリーホールディングス次期社長に招聘されたニュースを見て、ファミリーマートOBは感想をもらした。
「神格化されたセブンイレブンの鈴木敏文さんを除けば、新浪さんはコンビニ業界でピカイチの経営者です。ビジョンを描く力と、それに向かうエネルギーが抜きん出ていますね」
新浪氏は外資系出身ではないが、プロ経営者に外資系出身が多いのはグローバル化対応もさることながら、たぶん、エビデンスに基づく経営を体得しているからではないのか。業界が異なっても経営の原理原則は共通しているものだが、原理原則をどこまで深く、それも広範囲に知悉しているか。
プロ経営者の場合、この総量が凄いのだろう。そういう人物は鍛えて育つものでなく、プロ経営者になるべくしてなるのだ。遠からず(経営者は育てるものでなく、探すもの)という認識が定着するかもしれない。
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