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日立化成がコーチ・エィの支援でコーチ役1200人育成

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日立化成は2015年度までに、対話を重ねて相手に自主的に改善点などを探るように促す「コーチング」の技術を持った社員を1200人にする。日本でもコーチングを採用する企業が増えているが、1千人規模のコーチ役を育てるのは珍しい。
人材育成支援会社のコーチ・エィ(東京・千代田)のプログラムを活用する。現在、約50のグループ会社に日立化成が認定したコーチ役が700人いる。14年度にさらに400人、15年度に100人を育てる。コーチ役は自分の所属部門と他部門の計5人の社員を指導する。15年度にはコーチ役と指導を受ける社員がグループ全体の4割の7200人になる。(日本経済新聞 6月13日)

コーチングは自主的な思考行動を促すのにきわめて有効な手法で、日立化成の取り組みにはおおいに注目したい。コーチングの導入で何がどう変化したのかを折々に発表してほしいものだ。

上司に指示されたことはきちんとこなすが、指示されないと何もやらないという理由で新卒社員が「指示待ち世代」とネーミングされたのは、1980年代の初頭である。あれから30年が過ぎ、この間にマニュアル文化が浸透して、指示待ち姿勢はすっかり根付いてしまった。

コーチ役を担う社員も、大半は指示待ち世代以降だが、立場を与えれば人は変わる。コーチングの成果が研修後の一定期間で賞味期限切れにならないためには、指導対象の社員に立場を与えることだ。月並みだが、責任と権限を与えること。これに尽きるのではないか。

小野 貴史

著者情報:
小野 貴史

1959年茨城県生まれ。立教大学法学部卒業。経営専門誌編集長、(社)生活文化総合研究所理事などを経て小野アソシエイツ代表。25年以上にわたって中小・ベンチャー企業を中心に5000人を超える経営者の取材を続けている。著書「経営者5千人をインタビューしてわかった成功する会社の新原則」。分担執筆「M&A革命」「医療安全のリーダーシップ論」

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