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日航整理解雇訴訟でパイロットも二審敗訴

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日本航空の経営再建中に整理解雇されたパイロット70人が、社員の地位確認などを求めた訴訟の控訴審判決が5日、東京高裁であった。三輪和雄裁判長は解雇を適法とした一審東京地裁判決を支持し、原告側控訴を棄却した。原告側は上告する方針。
原告側は、更生計画を上回る利益が出ており、解雇は必要なかったと主張したが、三輪裁判長は計画の変更には関係者の同意が必要だとして、「人員削減をやめることはできなかった」と述べた。会社は解雇回避のため一定の努力をしたとも認めた。
判決によると、経営破綻した日航は2010年1月に会社更生法適用を申請。希望退職者を募ったが目標に達しなかったため、同年12月にパイロット81人、客室乗務員84人を整理解雇した。
日航は更生手続き終結後の12年9月、東証1部に再上場した。
客室乗務員が起こした訴訟でも、東京高裁の別の裁判部が3日、一審に続き解雇は有効とする判決を言い渡していた。(時事通信 6月5日)

中小企業ではよくあるケースだが、業績悪化で辞めてもらった社員に対して、業績が回復したときに、社長が「戻ってこないか」「もう一度いっしょに仕事をしないか」と声をかけて復職させる。やむなく辞めた社員は、元の鞘におさまることができる。

これは、中小企業でしか実行できない施策ではなく、基本的には元に戻すだけだから大手企業でも実行できるはずだ。新陳代謝に逆行する人事と言えなくもないが、本来の姿に戻ったと考えればよい。

日本航空の場合、国費を投じた以上、人員合理化を伴わなければ国民的な理解を得られないという事情はあったが、整理解雇された当人にとっては、国民の問題でなく自分と家族の問題だろう。業績が回復したのだから、復職の扉を開いてあげればよい。

小野 貴史

著者情報:
小野 貴史

1959年茨城県生まれ。立教大学法学部卒業。経営専門誌編集長、(社)生活文化総合研究所理事などを経て小野アソシエイツ代表。25年以上にわたって中小・ベンチャー企業を中心に5000人を超える経営者の取材を続けている。著書「経営者5千人をインタビューしてわかった成功する会社の新原則」。分担執筆「M&A革命」「医療安全のリーダーシップ論」

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