企業が雇用する弁護士の人数が今年初めて1千人を超え、5年前と比べて約3倍になったことが分かった。積極的な海外進出に伴って、企業はM&A(合併・買収)や法務リスクに素早く対処する必要に迫られている。社内弁護士を増やし、実務に沿った機敏な対応をとる会社が増えている。
社内弁護士などでつくる日本組織内弁護士協会(JILA)によると、企業が雇用する弁護士数は2013年6月時点で965人だった。一方、日本弁護士連合会のまとめでは、昨年末に司法修習を終えた新人弁護士で今年企業に就職した者が58人。両方を加えると1023人となる。社内弁護士数は09年6月時点で354人にとどまっていた。(日本経済新聞 4月14日)
法務部の強化が良策であることには違いないが、意外な盲点もあるという。教えてくれたのは危機管理コンサルタントで武蔵野学院大学客員教授の平塚俊樹氏だ。平塚氏は多くの企業で法務顧問を務めている海千山千のプロフェッショナルである。
「法務部を強化しても、法務部は社内で後方支援の位置にいるべきです。法務部が会社の前面に出ると、法律で武装した会社というイメージができてしまいます」。
そんなイメージができると何が困るのかと言えば、取引先や消費者の目に“すぐに法的措置を取ってくる会社”と映ってしまうのだ。コワモテをイメージさせたところで何の得にもならない。
法務に関しては、コンプライアンス遵守にも盲点がある。「法律の条文に抵触しなければ何をやってもよい」という法律原理主義に陥りかねないのだ。経営判断の拠り所はあくまで常識にある。
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