組織や人材をよどませず、いかに活性化するか。設立18年と若いyahooでさえ危機感は強い。
ベンチャー経営者が集う東京・渋谷の共同オフィス。yahooは3月までの半年、4チーム計14人の社員を送り込んだ。
「起業家」の熱気を肌で感じる環境で斬新なアイデアを生もうとの試みだ。
結果は上々。1チームが企画したサービスは会社として独立させる検討に入った。
将来yahooが株を買い取り、メンバーに巨額に「ボーナス」を出すことも可能だ。
「まだまだ老け込めない」。社長の宮坂学(46)は社員が6千人を超え硬直化しがちな組織を揺さぶるため、あえて会社の「中」と「外」の線引きを緩めた。(日本経済新聞 4月10日)
組織の硬直化を防ぐ社内ベンチャー制度は1980年代に流行ったが、あまりパッとしなかったのは雇用が確保されていたからだ。
ベンチャービジネスの立ち上げは背水の陣で行なうものである。
社内ベンチャーと称して子会社を設立して社員を出向させても、親会社の方向ばかり見ていて“ベンチャーごっこ”に終わった例は数知れない。
社員は出向でなく転籍しないと腹をくくれないのだ。
ベンチャーで力を発揮する人、雇用が安定してこそ力を発揮する人。それぞれの特性を活かせばよい。
前者の輩出で成功しているのがカレーチェーン「CoCo壱番屋」を運営する壱番屋である。
CoCo壱番屋はフランチャイズ(FC)で展開されているが、オーナーの多くが元社員だ。
同社は「ブルームシステム」という独立支援制度を設けて、独立志願者はこの制度のなかで基準のランクを超えたら独立の資格を得る。独立するまでは入社して平均して5年以上かかるという。
誰しもひとたび雇用の後ろ盾を失えば、見える風景も変わってくる。
ベンチャー向きの人物はそこから水を得たように躍動して、大化けしていく。
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