正社員と非正規社員の処遇の格差が社会的な課題となるなかで、「三菱東京UFJ銀行」の労働組合は、大手銀行の労働組合では初めて、店舗の窓口などで働く非正規社員の加入を認める方針を固め、職場全体の待遇改善を目指すことになりました。
「三菱東京UFJ銀行」の労働組合は、これまで加入できるのは正社員に限ってきましたが、関係者によりますと、今月から店舗の窓口などで働く非正規社員にも加入を認めることにしました。
対象となるのは、時給で働く「契約社員」およそ9500人と、月給で働く「嘱託契約社員」およそ2000人で、希望すれば組合に加入できるようにします。さらに今後新たに採用される非正規社員は、原則として全員、加入するようにします。
今回の組合側の判断は、先に行われたこの銀行の春闘で、正社員はベースアップが認められたものの、従業員全体の26%に上る非正規社員の賃金引き上げは実現できなかったことなどが背景にあります。組合としては職場全体の待遇改善を図るには、非正規社員の組合員化を進める必要があるとしており、すでに経営側にも方針を伝えています。(NHK NEWSWEB 4月4日)
今春のベースアップで大手企業と中小企業の賃金格差がますます拡大していくが、大手企業の間で非正規社員の労組加入が進めば、非正規社員も大手と中小の格差が開いていくだろう。
中小企業には労組が結成されていないところも多い上に、たとえ人手不足の職場でも非正規社員の待遇を改善するには、唯一、経営者の温情を待つしかない。それが実情だ。
この非正規問題は、大学教員の間でも深刻である。非常勤講師がまさしく非正規労働者で、だいたい4校程度の掛け持ちで講義を担当して、年収は300万円に届けばよいほうだという。研究費は支給されないから、すべて自腹でまかなわざるをえない。地方で開かれる学会への交通費や宿泊費も自腹である。生活費に充当できる金は民間企業の非正規社員よりも低いかもしれない。
学歴と収入は比例関係にあるというのが通説だが、大学業界に限って、それは当てはまらない。だが、貧すれば鈍するでは、良い研究はできまい。せめて年収400万円を手にできるぐらいの改善は必要だろう。
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