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全国の「新卒応援ハローワーク」が就職先確保を後押し

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就職が決まらないまま大学や短大を卒業した若者への「集中支援」にハローワークが取り組んでいる。過去3年では、卒業生のうち毎年約2万人が4~6月にハローワーク経由で就職した。求人情報の探し方や模擬面接など、卒業生に対して専門指導員が「一日も早い就職」を後押しする。
1月から未内定者向けに始めた取り組みを延長する。全国に約60カ所ある「新卒応援ハローワーク」を中心に、全国約2300人の専門指導員「ジョブサポーター」が1対1で就職相談に応じる。希望に沿った求人を探す手伝いをするほか、模擬面接や、志望動機書の書き方指導のセミナーなども開く。地域の中小・中堅企業を集めた就職面接会も企画し、企業との出会いの場もつくる。
1月から始めた集中支援では、10万2千人の相談を2月末までに受け付け、このうち2万2千人の就職先が見つかったという。(朝日新聞デジタル 3月23日

このニュースを見た翌日、都内のハローワークを訪れた。
旧知のリサーチ会社社長が営業マン募集の手続きをするのに「ハローワークには何年も行っていないので、昼メシがてら付き合ってくれない?」と打診してきたのだ。
ハローワークでの求人登録手続き経験などない私に対して「隣りでやりとりを聞いていて不明な点に気づいたら、質問してくれるだけでいいから」。
まあ、いいだろうと了解した。

新卒者対象のコーナーでは、4人の求職者が指導員と面談していた。
社会人生活は入口が肝心である。非正規社員からのスタートでは正社員にいつ転身できるか不透明だし、キャリア形成でも不利だ。
もちろん腹をくくれば何とか道は開けるものだし、生きていくのに何をやってもよいのだが、それができるタマは限られている。無難に正社員につくのが常道である。
学生たちの後姿を見ているうちに「苦あれば楽あり。がんばれよ!」と肩を叩いてあげたくなったものだ。

手続きをすませた社長とともにハローワークを出た途端、社長は「学生も大変だね」。
私が「おたくの会社では学卒を採用しないの?」と水を向けたら「うちじゃ毎年給料をアップできないし、小さな会社だからすぐに辞めちゃうだろう。転職歴をつけてしまうことで、彼らに人生をムダにさせるのはよくないよ」。
彼のような真っ当な考え方は相当な少数派だ。人手がほしい状況でも、応募者の経歴をムダにさせない配慮を企業に求めるのは、ないものねだりの極みかもしれない。

小野 貴史

著者情報:
小野 貴史

1959年茨城県生まれ。立教大学法学部卒業。経営専門誌編集長、(社)生活文化総合研究所理事などを経て小野アソシエイツ代表。25年以上にわたって中小・ベンチャー企業を中心に5000人を超える経営者の取材を続けている。著書「経営者5千人をインタビューしてわかった成功する会社の新原則」。分担執筆「M&A革命」「医療安全のリーダーシップ論」

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