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明暗を分けるのは?マクドナルドとモスフードサービス対照的な業績

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モスフードサービス社長の櫻田厚氏は今年4月1日付人事で代表取締役会長を兼任する。その他7人の役員の統括業務も変更し、新任取締役として執行役員の山口伸二氏を取締役執行役員国際本部長に起用する。同時に営業本部、商品本部、開発本部、国際本部の機能を変更する。
同社は「新中期経営計画を強力に推進するために、新たに当社グループの事業の全てを統括する事業統括執行役員を置き、当該執行役員に大幅な権限委譲を行い、意思決定と行動のさらなるスピードアップを図る」と述べている。(モスフードサービスIR要約 2月24日)

低迷を続けるマクドナルドと対照的に、モスフードサービスの業績は堅調だ。2014年3月期の第三四半期連結累計期間(14年4~12月)には、売上高497億6800万円(前年同四半期比4.4%増)、営業利益19億7600万円(20.7%増)、経常利益21億5500万円(19.3%増)、純利益16億5000万円(52.9%増)となった。
モスフードは低価格競争に参入してこなかった。あくまで品質本位に商ってきて、価格を上げたり下げたりのダッチロール経営に縁がない。低価格競争への参入は禁断の実を食べるようなもので、まさしくドツボにはまってしまう。
昨秋のことである。好業績を維持し続ける情報サービス会社の社長から「商売で一番大切なものは何だと思いますか?」と聞かれた。「値決めですよ。商品やサービスを開発したときに値決めをどうするか。これが一番大切なんです」。社長はそう持論を話したのだ。
この社長の実家は大阪で会社を営んでいるそうで「私、子供のときから今まで金に困ったことはありません。独立したときにすぐに黒字化しました」とはにかんだ笑顔を見せた。
たぶん、この社長の身体には値決めによる勝ちパターンが染み込んでいる。こういう人はどんなビジネスに関わっても、たんまりと果実を手にするものだ。

小野 貴史

著者情報:
小野 貴史

1959年茨城県生まれ。立教大学法学部卒業。経営専門誌編集長、(社)生活文化総合研究所理事などを経て小野アソシエイツ代表。25年以上にわたって中小・ベンチャー企業を中心に5000人を超える経営者の取材を続けている。著書「経営者5千人をインタビューしてわかった成功する会社の新原則」。分担執筆「M&A革命」「医療安全のリーダーシップ論」

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