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失業者を大阪市が1年間雇用へ コロナ拡大で、内定取り消し者も

200416

大阪市の松井一郎市長は8日の記者会見で、新型コロナウイルスの感染拡大を受け、失業した人を来年3月末までの1年間雇用する方針を明らかにした。50人程度を想定しているという。内定が取り消された学生も対象とする考え。
松井氏は国の経済対策などへの対応で今後、業務が増えることが予想されるとし、「仕事を失った方の雇用を守りながらマンパワーを確保したい」と述べた。市によると、現在募集要項を作成中で、採用形態など詳細を検討している。(共同通信 4月10日)

新型コロナウイルス感染拡大のあおりで倒産や解雇がつづくと、産業界全体の慢性的な人材不足から人材過剰へと局面が変わるかもしれない。外国人労働者の需要も減少するだろう。
多くの企業はいっせいに固定費の抑制に入るだろうから、人員補充は非正規雇用にウエイトを置き、新卒学生にとっては就職氷河期が再来する可能性もある。非正規雇用で20代を過ごし、30代を迎えると正社員に転身する機会が減って、経済的な困窮から一向に解放されない。
すでに40歳を過ぎた氷河期世代の多くが非正規雇用をつづけ、これを正規雇用に切り替える試みが動き出した矢先に、コロナ問題が勃発した。氷河期世代に的を絞った雇用対策どこではなくなった。黒字リストラの延長で40歳以上のリストラが加速して、新卒採用が減れば、一気に消費は冷え込んでゆく。不況の慢性化が迫っている。

小野 貴史

著者情報:
小野 貴史

1959年茨城県生まれ。立教大学法学部卒業。経営専門誌編集長、(社)生活文化総合研究所理事などを経て小野アソシエイツ代表。25年以上にわたって中小・ベンチャー企業を中心に5000人を超える経営者の取材を続けている。著書「経営者5千人をインタビューしてわかった成功する会社の新原則」。分担執筆「M&A革命」「医療安全のリーダーシップ論」

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