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1人当たりの現金給与総額は36万7551円

 厚生労働省が4日発表した7月の毎月勤労統計調査(速報、従業員5人以上の事業所)によると、基本給や残業代、賞与などすべての給与を合わせた1人当たりの現金給与総額(月平均)は、前年同月比0・6%増の36万7551円で2カ月ぶりに増加した。また物価の影響を加味した実質賃金は0・3%増で、平成25年4月(0・4%増)以来、2年3カ月ぶりのプラスとなった。
物価の上昇に賃金の伸びが追いつかない状況が、ようやく逆転して実質プラスに転じた。消費税増税の影響が一段落したことに加え、賃上げが中小企業などにも広がったためだ。継続的な賃上げが景気回復のカギを握るとみられる一方、世界的な金融市場の動揺もあり、先行きには不透明感も漂う。
(産経ニュース 9月4日)

経済財政諮問会議が発表した骨太の方針では「経済再生なくして財政再建なし」と明記され、経済再生と財政再建のどちらを優先すべきなのかという議論が、ひとまず決着した。経済再生には中国経済の減速というトバッチリ要因もあるが、当面の焦点となる国内の個人消費に関しては消費税10%引き上げである。
たとえば外食産業は甚大な影響を受ける。人件費と原材料費の上昇で利幅が圧迫されている渦中に、消費税が10%に引き上げられたら何が起きるのか。
料金を引き上げれば客足は遠のく。料金を維持したまま利益を確保するには、1品あたりの量を減らすことが常套手段だが、客にはすぐに見抜かれ、これまた客足を遠のかせかねない。接客の質を格段に向上させるなど、相当な改善が迫られるだろう。

小野 貴史

著者情報:
小野 貴史

1959年茨城県生まれ。立教大学法学部卒業。経営専門誌編集長、(社)生活文化総合研究所理事などを経て小野アソシエイツ代表。25年以上にわたって中小・ベンチャー企業を中心に5000人を超える経営者の取材を続けている。著書「経営者5千人をインタビューしてわかった成功する会社の新原則」。分担執筆「M&A革命」「医療安全のリーダーシップ論」

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